人生であと何回、海外旅行に行けるのか
LIFE · 情報基準日 2026-06-02 · 約4,200字 · 約9分
マイル:「ねえ、ちょっと怖いこと聞いてもいい?」
執事H:「どうぞ。」
マイル:「人生であと何回、海外旅行に行けるんだろうって、最近ふと考えて。」
ポルト:「……それは、一度は考えておくべき問いじゃ。」
「いつか」という言葉の賞味期限
「いつかヨーロッパに行きたい」「退職したらゆっくり旅行したい」「子どもが独立したら夫婦で海外に出たい」——こういう言葉を、一度くらいは口にしたことがある方も多いと思います。
その「いつか」は、どのくらい先にあるものだと思っているでしょうか。
マイレージ・ポートフォリオ社編集部が整理したいのは、「いつか」には賞味期限がある、ということです。体力、時間、お金——この3つが同時に揃う機会は、思っているより少ない可能性があります。
3条件の同時成立を数える
海外旅行が実現するためには、大きく分けて3つの条件が必要です。
1. 体力が十分にある 長時間のフライト、時差、現地での移動——これらをこなすには、一定の体力が必要です。旅行先によっては歩行距離が1日10キロを超えることも珍しくありません。
2. まとまった時間が取れる 海外旅行は準備・移動・滞在・復路で最低でも4〜5日は必要で、ヨーロッパや中南米なら1週間〜10日が現実的です。フルタイムの仕事をしながら確保するのは簡単ではありません。
3. 費用が賄える 航空券・宿・現地費用は行き先によって大きく異なりますが、アジア近距離でも20〜30万円前後、欧米なら40〜80万円以上は想定する必要があります(2人分なら倍)。
この3条件が同時に揃う年数は、人生の中でどのくらいあるでしょうか。
ライフステージで考えてみる
これは個人差が非常に大きいため、一般化には慎重にする必要があります。あくまでも「一つの考え方」として整理します。
20代後半〜30代前半
体力は十分ある。ただし住宅ローン・育児・転職・結婚——生活の変化が激しい時期です。時間とお金の確保が難しくなりやすい。年1回海外に行ける方もいれば、数年ゼロという方もいます。
30代後半〜40代
子どもがいる場合、子ども連れで行くか、子どもを預けて行くかという選択が加わります。費用は増えますが、子どもとの旅行という体験価値も加わる。仕事の責任が増える分、長期休暇の取得が難しくなるケースもあります。
50代前後
子どもの独立後、夫婦2人での旅行がしやすくなる一方、親の介護が始まる可能性がある時期でもあります。長距離フライトの疲れを感じ始める方も増えてきます。体力と時間のバランスが変わるタイミングです。
60代以降
時間的な余裕は増えやすい一方、体力の低下は人によって差が出てきます。「行きたいと思ったら行ける体力を維持しているかどうか」が、この時期の鍵になってきます。
試算してみる——ただし参考値として
個人差が大きいため断言はできませんが、あくまでも「考えるための試算」として一例を示します。
たとえば35歳から70歳までの35年間を想定した場合。
- 子育て期間や介護対応などで旅行に集中しにくい年が年間2〜3年程度あると仮定する
- 体力面で長距離旅行が難しくなる時期を70歳以降とすると
- 年1〜2回の海外旅行を維持できたとして、35〜70回が理論上の上限
ただし、実際には仕事の繁忙期・家族の病気・予期せぬ出費・パンデミックのような外部要因で、計画通りにいかない年も出てきます。「計画通りにいく年は半分くらい」と見ると、15〜20回前後になるかもしれない。
これは一例にすぎませんし、もっと多く旅行できる方も当然います。ただ「何となく年を取ってからゆっくり旅をしよう」と思っている方にとっては、一度立ち止まって考えてみる価値のある数字かもしれません。
執事H:「繰り返しになりますが、これはあくまで考えるための試算です。個人の健康状態・家族構成・収入・仕事の状況によって結果は大きく異なります。断言ではなく、問いかけとして受け取っていただければ幸いです。」
「いつか」が来ない理由
「いつか行こう」と思い続けて、結局行かなかった——という体験を持つ方は少なくないと思います。理由はいくつかパターンがあります。
「今は忙しい」の継続 忙しくない時期はなかなか来ません。今年が忙しければ来年も忙しい。子どもが小さいうちは無理、と思っていたら学校行事が始まり、学校が終わったら仕事が忙しくなり——「今は」が積み重なって「いつか」が来ない、というパターンです。
費用の「まだ貯まってない」 「もう少し貯まったら行こう」という設計は、「いくら貯まれば行くのか」が決まっていないことが多いです。明確な目標金額と時期を決めないと、準備完了の感覚が来ません。
「行ったとしてもどうせ疲れる」という諦め 旅行の体力面での不安が積み重なると、「行けるうちに行く」ではなく「もう旅行は若い人のもの」という思考になりやすい。これが最も気づきにくい形で「いつか」を先送りにします。
では、どう設計するか
マイレージ・ポートフォリオ社が考える設計の考え方を、整理します。
お金の壁を先に整える
旅行費用の問題を後回しにしない。マイルを積み上げておくことで、「費用が高いから見送る」という状況を減らせます。移動費用という大きなコストをマイルで補えると、「行く/行かない」の判断がお金ではなく「行きたいかどうか」に近くなります。
旅行のための「枠」を作る
年間の休暇計画の中に、旅行用の期間を先に確保する。「空いたら行こう」ではなく「この週は旅行用に空けておく」という設計です。計画が先にあると、他の予定がそこに入ってきにくくなります。
体力という資産を積む
旅行できる体力を、今から維持・向上させる。これはダイエットや激しいトレーニングの話ではなく、「歩ける、起きられる、体力がある」というベースを維持することです。定期的な健康診断、睡眠の質、最低限の運動習慣——これが旅行の基礎体力を担保します。
マイル:「体力も資産なんだ。確かに、お金とマイルがあっても体がついてこなかったら意味ないよね。」
ポルト:「それが、このポートフォリオという考え方の核心じゃよ。お金だけじゃない。体力も時間も、全部が揃って初めて旅ができる。」
「今すぐ行け」という話ではない
念のため整理しますが、この記事は「今すぐ旅行に行くべきだ」と主張するものではありません。資産形成を犠牲にして旅行費用に使うことを推奨するものでもありません。
伝えたいのは、「いつかの旅行」を設計の外に置いたままにしないこと、です。
人生のどこかのタイミングで「行きたい場所に行ける状態を作る」ための準備を、少しずつ今から積み重ねる——マイルの積み上げも、資産形成も、健康投資も、その準備の一部です。
まとめ
「人生であと何回、海外旅行に行けるか」という問いに、正確な答えはありません。ただ、体力・時間・お金の3条件が同時に揃う機会を意識すると、「いつか」を先送りにし続けることへの見方が変わるかもしれません。
- 今から整えられるのは、お金(資産形成・マイル)と体力(健康投資)
- 時間は仕事・家族の状況によって変わる部分が大きい
- 「いつか」ではなく「いつ行くか」を設計に入れることが出発点
行きたい場所があるなら、「行けるかどうか」より「いつ行くか」を考え始める段階に、早めに移行することをお勧めします。
MP判定
| 軸 | 評価 |
|---|---|
| お金の合理性 | ★★★☆☆ — 直接的な節約・運用の話ではなく、考え方の整理 |
| 人生の快適性 | ★★★★★ — 「後悔しない旅の設計」という意味での満足度は最高レベル |
| 自由度アップ | ★★★★★ — 「いつでも動ける状態を作る」ことが本記事の核心 |
おすすめ度: 「いつか行きたいと思いながら、行けていない場所がある」という方に向く記事。感情面から入りたい読者に。
参考になる一冊
「時間と人生の使い方」を考え直したい方には以下が参考になるかもしれません。
本書は参考情報として紹介しています。投資判断は自己責任でお願いします。
本記事の情報は2026年6月2日時点のものです。本記事は旅行・人生設計に関する情報提供であり、特定の商品・サービスの購入を強制するものではありません。記事内の試算はあくまで考えるための参考値であり、個人の状況により結果は大きく異なります。
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