旅行にお金を使うと、資産形成は遅れるのか
INVEST · 情報基準日 2026-06-03 · 約2,900字 · 約5分
マイル:「旅行に使ったお金って、やっぱり資産形成を遅らせてるのかな。」
ポルト:「「遅れる」という見方もできるが、それだけが答えではないのかもしれんぞ。」
執事H:「今日は、旅行支出と資産形成の関係を整理してみます。」
「旅行に使うと投資に回せない」は事実
まず、数字の話から始めます。
月の可処分所得が30万円の人が、年に1回20万円の旅行をするとします。単純計算で毎月約1.7万円が旅行積立に使われているイメージです。
この1.7万円を毎月インデックスファンドに積み立てた場合、年利5%で10年運用すると、一般的な複利計算では約260万円程度になる試算があります。
この意味では、「旅行に使う分、資産形成の速度は落ちる」は事実です。
ただし、これは「だから旅行はすべきでない」という結論には直結しません。
「いつ旅行するか」という時間軸の問題
資産形成と旅行のバランスを考えるとき、「何のために資産を形成するのか」という問いが関わってきます。
老後のための資産を積み上げることは大切です。ただ、老後になってから旅行しようとしたとき、体力・健康状態・同行者の状況が同じとは限りません。
「今しかできない体験」という表現は、感情的に聞こえますが、実際には時間と体力という制約から来る話です。
子どもが小さい時期の家族旅行、親が元気なうちの親孝行旅行、自分自身が体力のあるうちに行きたい場所への旅——これらには「今のうちに」という実際的な意味があります。
資産形成を「犠牲にする」か「配分する」か
旅行にお金を使うことを「資産形成を犠牲にする」と捉えるか、「人生の体験に配分する」と捉えるかは、判断の枠組みの問題です。
資産形成の目的が「将来の選択肢を広げるため」だとすると、現在の旅行も「今の自分の選択肢を行使すること」です。
どちらを優先するかは個人の価値観や家庭状況によって異なりますが、どちらかを完全にゼロにすることが唯一の正解ではないと考えられます。
一般的に言われる考え方として、「まず生活防衛資金を確保し、次に長期積立を仕組み化した上で、残った余力を体験に配分する」という順序が参考にされることがあります。
仕組み化で「両方を諦めない」設計をする
資産形成と旅行を両立するために、多くの人が参考にしている方法があります。
積立を先に自動化する: 給与が入ったタイミングで積立が自動的に動く設定にしておくと、旅行費用は「残った分から出す」という構造になります。旅行のために積立を止める、という事態を防ぎやすくなります。
旅行費用を年間予算として決める: 「年間で旅行に使う上限額」をあらかじめ設定しておくと、旅行のたびに罪悪感を持たずに済む場合があります。予算内での旅行は「計画通りの配分」として扱えます。
マイル・ポイントで現金支出を減らす: クレジットカードのポイントやマイルを旅行費用に充てることで、現金の持ち出しを抑えられる場合があります。旅行の現金支出と資産形成の配分が両立しやすくなる側面があります。
旅行にお金を使った人が感じること
旅行支出を肯定的に捉える根拠として、「体験への消費は記憶として残り、満足度が持続しやすい」という研究結果が一般的に引用されることがあります。
ただし、これはすべての人・すべての旅行に当てはまるわけではなく、旅行の内容や個人の価値観によって異なります。
確実に言えるのは、旅行に使ったお金は戻りませんが、その代わりに体験・記憶・家族との時間という形で返ってくる可能性があるということです。これをどう評価するかは、数字だけでは測れない部分です。
マイル:「旅行のお金が「使ってしまった」じゃなく「配分した」になるかどうかは、設計次第なんだな。」
ポルト:「そうじゃ。仕組みを先に作っておけば、旅行を楽しみながら後悔しにくくなるのじゃよ。」
「今できないこと」と「今しかできないこと」を分ける
資産形成には有利なルールがあります。複利の効果は時間が長いほど大きくなるため、若い時期の積立が将来の資産に与える影響は一般的に大きいとされます。
この意味で、「今すぐできる積立を後回しにしない」ことは合理的です。
一方で、旅行の一部には「今しかできない」という時間的な条件が存在します。
「老後になってからゆっくり旅行する」という計画は、老後の経済的な余裕という点では意味があります。ただし、体力・健康・同行者の状況が老後と現在で同じとは限りません。
この「今すぐできる積立の優先」と「今しかできない体験の存在」のバランスを自分なりに設定することが、資産形成と旅行を両立する判断軸になりえます。
「遅れるか」より「どう設計するか」
旅行にお金を使うと、純粋な数字の上では資産形成のペースは遅くなります。これは事実です。
ただし、「どの程度配分するか」「仕組みを先に整えているか」「今しかできない体験に対して自分はどう判断するか」という設計次第で、資産形成と旅行体験の両方に納得感を持てる状態は作れる可能性があります。
「旅行か投資か」という二択の問いより、「自分はどう設計するか」という問いの方が、実際の行動につながりやすいといえます。
執事H:「旅行支出と資産形成は、ゼロサムではありません。仕組み化と年間予算の設定を組み合わせることで、どちらも取り込んだ設計は参考にできます。「今しかできない体験」と「将来への備え」を同時に扱うのがMPのスタンスです。」
マイル:「先に仕組みを作っておけば、旅行を楽しんでも後ろめたくない状態にできるんだ。」
ポルト:「そういうことじゃよ。設計が先、楽しむのが後じゃ。」
※本記事は特定の金融商品や投資を推奨するものではありません。資産形成の判断はご自身の状況に合わせて行ってください。情報基準日は2026年6月3日です。
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参照(情報基準日 2026-06-03)
- 本記事は一般的な考え方の整理です。数値・条件・制度は改定されることがあります
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービスの購入や投資を勧めるものではありません。数値・条件・制度は改定されることがあります。情報基準日:2026-06-03。
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