ANAとJAL、結局どっちのマイルを貯めるべきか
TRAVEL · 情報基準日 2026-06-10 · 約4,000字 · 約8分
マイルを貯め始めようとした人が、最初に直面する問いがある。ANAかJALか。
両社ともマイルプログラムを持ち、クレジットカードを通じてマイルが貯まり、特典航空券に使える。表面的な仕組みは似ているのに、選択肢としては排他的に感じられる。なぜなら、どちらのカードを持つかで積み上がるマイルが変わり、どちらを選ぶかでステータス戦略が変わるからです。
2026年は両社にとって大きな変化の年でもあります。ANAは2028年4月からのSFC制度改定(SFC PLUS/LITE 2区分・年300万決済条件)を発表し、JALは2024年にすでにLife Status Point(LSP)制度に大改定されています。
この変化を踏まえた上で、どちらを貯めるべきかを整理します。
マイル:「ANAとJAL、どっちかに絞らなきゃいけないの?両方はダメ?」
執事H:「両方がダメというわけではございません。ただ、最初に主軸を決めると効率が上がります。整理いたしましょう。」
ポルト:「選び方の基準は、『どのマイルが多く貯まるか』だけではない。特典航空券に使いやすいか、ステータスを狙うかどうか、家族の状況——これらが絡んでくる。」
前提: 2026年の制度状況を確認する
ANA マイルプログラムの現状(2026年6月時点)
- マイル有効期限: 3年
- SFC(スーパーフライヤーズカード): 2028年4月から PLUS/LITE 2区分に改定予定
- PLUS: 年間ANAカード+ANA Pay決済300万円以上
- LITE: 300万円未満(一部特典の違いあり)
- スターアライアンス: 57社が参加する最大規模の航空連合
- 特典航空券: 国際線特典は「必要マイル数+燃油サーチャージ」方式(燃油サーチャージは変動)
ANA SFCの詳細は ANA SFC が変わる で整理しています。
JAL マイルプログラムの現状(2026年6月時点)
- マイル有効期限: 3年
- JGC(JALグローバルクラブ): Life Status Point(LSP)制度、生涯累計1,500ポイントで取得
- 一度取得すれば年会費を払い続ける限り維持可能(決済額条件なし)
- 2024年以前に入会した方は従来条件で保有継続
- ワンワールド: 14社が参加(アメリカン航空・ブリティッシュ・エアウェイズ等)
- 特典航空券: 「JALマイル特典」方式。燃油サーチャージ込みの提示が多い
比較の4軸
軸1: 国内線の路線カバレッジ
ANAとJALは国内線の主要路線では多くが重複していますが、以下の傾向があります。
- ANA: 羽田発着・成田発着が充実。地方空港(ローカル線)でANA便のみの路線がある
- JAL: 伊丹・関空発着に強い。沖縄路線のカバレッジが広い
自分がよく使う路線の就航状況を確認することが最初のステップです。「よく行く地方空港にANA便がない」という場合、JAL一択になることがあります。
軸2: 国際線の目的地と提携会社
国際線特典航空券を使いたい場合、提携航空連合の違いが重要になります。
| 目的地の傾向 | 向いているマイル |
|---|---|
| 欧米(特にアメリカン・ユナイテッド利用) | ANAマイル(スターアライアンス) |
| 欧州(ブリティッシュ・エアウェイズ・フィンエアー利用) | JALマイル(ワンワールド) |
| アジア(タイ航空・シンガポール航空利用) | ANAマイル(スターアライアンス) |
| アジア(キャセイパシフィック・マレーシア航空利用) | JALマイル(ワンワールド) |
「行きたい場所がある」「使いたい提携航空会社がある」という具体的な目標がある場合、目的地から逆算した選択が最も合理的です。
特典航空券の詳細は ANA国際線特典航空券の取り方と計画 と JAL国際線特典航空券ガイド で整理しています。
軸3: クレジットカードとマイル効率
マイルを貯める速度は、利用するクレジットカードに大きく依存します。
ANA系カード(主要例)
- ANA VISA/マスター 一般カード: 200円=1マイル
- ANA VISA プラチナプレミアム: 100円=1.5マイル(+ ボーナス)
- 三井住友カード(NL) → Vポイント → ANAマイル変換ルート(実質0.5〜1マイル/200円)
JAL系カード(主要例)
- JAL 普通カード: 200円=1マイル
- JAL CLUB-Aゴールドカード: 100円=1マイル相当(ショッピングマイル・プレミアム加入時)
純粋な積算効率だけで比べると、年会費との兼ね合いが出ます。高い年会費のカードほど積算率が上がる傾向がありますが、年会費の元を取れるかどうかは年間利用額次第です。
軸4: ステータスを狙うかどうか
2026年の両社のステータス制度を比べると、「維持コスト」の構造が根本的に違います。
| 比較点 | ANA SFC | JAL JGC |
|---|---|---|
| 取得条件 | 1回のプレミアムポイント達成(年1回の修行) | 生涯LSP 1,500累計(修行必要) |
| 維持条件 | 2028年以降: 年300万決済(PLUS) | 年会費のみ(決済額条件なし) |
| 維持コスト(年会費) | 1万6,500円〜 | 1万6,500円〜 |
| 改定リスク | 高い(2028年変更確定) | 中程度(2024年改定済み) |
ステータスを「一度取ればなるべく楽に維持したい」という場合、JGCの方が制度として安定している面があります。ただし SFC vs JGC どちらを目指すか で整理した通り、取得のハードルやライフスタイルとの相性で変わります。
「どちらか一本」に絞る基準
両方のカードを持って両方のマイルを貯めることは可能です。ただし、以下の理由から主軸を一本に絞ることをお勧めします。
- 年会費の二重負担: ANA系+JAL系の両方を保有すると年会費が積み上がる
- マイルの分散: 両方に分散すると、どちらの特典航空券にも届かない状態になりやすい
- ステータス修行の分散: 両社のステータスを同時に狙うと、コストが倍増する
一本に絞る際の判断基準をまとめます。
ANA を選ぶ理由が多い場合
- 羽田発着を主に使う
- スターアライアンス加盟航空会社(ユナイテッド・タイ・シンガポール等)でよく旅行する
- SBI証券のクレカ積立(Olive/ANA VISA)でマイルを同時に積みたい
- スターアライアンスゴールドのラウンジアクセスを重視する
JAL を選ぶ理由が多い場合
- 伊丹・関空発着や沖縄路線をよく使う
- ワンワールド加盟航空会社(キャセイ・ブリティッシュ・フィンエアー等)を利用する
- JGC取得後「維持条件が緩やかなステータス」を求めている
- 2028年以降のANA SFC改定を踏まえ、ANA側の条件変更リスクを避けたい
「どちらでもない」選択肢: 汎用ポイントからの変換
ANAともJALとも直接紐づかない汎用ポイント(楽天ポイント・Vポイント・Amazonポイント等)を貯めて、後から変換先を選ぶ方法もあります。
メリット: どちらに変換するかを旅行計画が決まってから判断できる デメリット: 変換レートが悪い場合が多い(例: 楽天ポイント → ANA/JALマイルは変換レートが低い)
汎用ポイント戦略は「完全に決めかねる」という時期の暫定策として有効ですが、長期的にはどちらかに集約した方が、特典航空券への到達が早まる傾向があります。
MP判定 — ANA vs JAL 選択のフレーム
MP判定: ANA vs JAL、選択基準まとめ
- 国内線ルート: 自分がよく使う路線の就航状況で決まる(路線固定が最優先)
- 国際線目標: 行きたい目的地 × 乗りたい提携航空会社で逆算
- ステータス戦略:
→ 維持条件を緩くしたい → JAL JGC有利(決済額条件なし)
→ SBI/ANA Pay積立と組み合わせたい → ANA有利
- カード効率:
→ ショッピングマイル最大化 → JAL CLUB-Aゴールド(プレミアム加入時)
→ 日常利用+積立統合 → ANA Olive Infinite/ANA VISA プラチナプレミアム
おすすめ度: どちらが正解というよりも、「使う路線・目的地・ステータス方針」
が決まれば答えは自動的に出る。
「決めかねる」状態が続く場合は、Vポイント等の汎用ポイントで
暫定運用→計画が具体化した時点で変換先を確定する判断も有効。
「とりあえず両方」ではなく「目的から逆算する」
ANAとJALのどちらを選ぶかという問いは、「どちらのマイルが使いやすいか」という問いに言い換えられます。
使いやすさは、自分がどこへ行きたいか、何のためにマイルを貯めるかという目的から逆算してはじめて決まります。
目的が明確であれば、選択は難しくない。目的が不明確なまま「ANA派か JAL派か」と考えるから迷う、とも言えます。
「特典航空券でハワイに行きたい」「子どもの進学に合わせて欧州旅行をしたい」——こうした具体的な目標から逆算すると、どちらを主軸にするかは自ずと絞られます。
得する! ANAマイルの貯め方・使い方 最新版(晋遊舎ムック)
ANAマイルの基本的な貯め方から特典航空券の活用法まで整理されたガイドブック。ANA主軸で考えたい方の入口として。
参照(情報基準日 2026-06-10)
- ANA公式 スーパーフライヤーズカード制度説明(2026年6月時点)
- JAL公式 ライフステータス制度説明(2026年6月時点)
- 各社マイルプログラム規約・特典航空券必要マイル数表
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本記事は note では公開していない、MileagePortfolio サイト独占のマイル選択論コラムです。情報基準日:2026-06-10。ANA・JALの制度・規約は随時変更されます。実行前に各社公式情報をご確認ください。
この記事をもっと深めたい人へ — 本と映像のすすめ
記事の整理だけでは足りない人向けに、関連する書籍と映像作品を置いておきます。
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ジョージ・クルーニー主演。出張とマイルに人生を捧げる男の物語。マイラーなら一度は観ておきたい一本。 - グランド・ブダペスト・ホテル (2014)
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